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おさらい:注意欠陥/多動性障害(ADHD) とはそもそも何か
ADHDとは「注意欠陥多動性障害」の略称です。大きくわけて、不注意型、衝動型、多動型の3タイプがあります。
ADHDの人数は「男の子の方が3倍から5倍ほど女子より多い」と言われていますが、女子は不注意型が多いというだけで見つかりづらいだけとも。不注意型は子どもの頃にはあまり見つからず、ただ不注意なだけなので、学力的なレベルも悪くはありません。ADHDの人たちは、むしろ興味があることに対しては素晴らしい集中力を発揮することもあります。
不注意型の症状が顕著に出てくるのは、ミスが許されないような事務職などの仕事に就職したときです。そのため、子どもの頃はボチボチ成績もよかったけれども、仕事をし始めてから怒られ「発達障害」や「ADHD」という言葉を知って調べてみると「あ、当てはまる…」となるケースが増えています。ADHDの人は、何度も同じミスをしてしまうため、周囲からは「やる気がない」「さぼってる」と思われやすいです。自己肯定感が低くなり、うつなどの二次障害が発生する可能性が出てきてしまいます 。
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なぜADHDの人はデザイナーが適職なのか
ADHDの大人は、仕事でミスを連発したり、タスク管理が上手くいかなかったりして絶望感を覚えることがあります。でも、適した職業に就くことができればその限りではありません。経営者にADHDの人が多いように、向いている職業に就けばその能力をいかんなく発揮できるのです。
では、なぜデザイナーがADHDの人に向いている職業なのか。体験談から引っ張ってきてみましょう。
以前は、接客・販売業で働いていたのですが、心療内科の先生から「1つの作業に集中できる職種がいい」とアドバイスいただき、今の職場に就職しました。
仕事は自分が集中できる好きなものにしようと、WEBデザイナーとして働いています。デザインなら集中して作業していても基本的に注意されることはありませんし、同時に複数の作業を行うこともほぼありません。
また、タスク管理は自分自身で行っています。ごくまれに上司に指摘されることもありますが、基本的には「自己責任」です。自分が行ったミスは自分で直しますし、そのゴールにたどり着くのなら、手順はどうであれ構わない、という方針です。
こうすることで私自身が「他人に迷惑をかける」という罪悪感でケアレスミスを起こすことも激減し、自分の順序で集中して取り組むことができるようになったので、今ではとても楽しく働いています
ADHDの20代女性を迷惑をかけてる罪悪感から救ったものは?【体験談】より
このADHDの人の場合には「1つの作業に集中できる」という点が、デザイナーという職業の特性とマッチしていました。そして、作業を行う際にも自分の責任で段取りを組んでいけるということも大きいです。どういうことか解説しましょう。
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ADHDの人が事務職が向いていない理由:作業手順が決まっている
ADHDの人に向いていない職業の代表格ともいうべき事務職の場合、事務作業などの場合には行うべき作業の手順が決められています。その手順どおりにやらなければダメなのです。でも、ADHDの人の場合、その作業手順が守れません。忘れてしまったり、同じ作業手順でなくオリジナルのアレンジを加えてしまうのです。すると、怒られます。
ADHDの人がデザイナーが向いている理由:作業手順が自由
デザイナーの場合、デザインを完成させるまでの道のりは自由です。何から始めようが、何かを飛ばそうが、デザインができあがればOKなのです。
ADHDの人がデザイナーが向いている理由:1人でもくもくと作業できる
もう1つが、1人でもくもくと作業に取り掛かれる点です。仕事を受けたら、完成まで基本的に一人でせっせとデザイン完成に向けて作業を続けます。納期に間に合いさえすれば、自分の作業が途中で遅れたところでリカバリーできれば問題なしです。(※大規模なデザインになってくると複数のデザイナーと連携が必要な場合があります。)
ADHDの人がデザイナーが向いている理由:デザイナーは変わり者が多い?
あと、デザイナーという職種は、なぜだかわかりませんが「変わり者が多い」という印象があるようですので、個性的なキャラクターであっても周囲に許容されやすいようにも思います。
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ADHDの人がデザイナーをする上で大切なこと「納期は守ろう!」
ADHDの人は作業(タスク)の管理が苦手です。それに伴ってスケジュール管理も苦手な傾向にあります。かくいう私もそうで、締め切りがある仕事でも締め切りのギリギリにならないと動けないことが多いのなんの。デザイナーの場合にも、納品の締め切りがあります。納期はきっちり守らないと信用を失ってしまいがちです。
ADHDの人のための締め切り対策:早めの締め切りを設定してもらおう
が、対策は可能です。もしも依頼者が社内の人なのであれば、早めの締め切りを設定してもらうようにしましょう。本来の納期が月末なのであれば、1週間早めの24日頃として自分に伝えてもらうようにするのです。これも慣れてしまうと「どうせ早めの締め切りだからまだ大丈夫♪」なんて思ってしまいがちなのですが、早めの締め切りに合わせて仕事を進めていけるように周囲を巻き込みましょう。協力体制が築ければ仕事がかなりやりやすくなります。
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会社・職場によってデザイナーの仕事内容が違う点は要注意
ただ、デザイナーとは言っても会社によって仕事内容が大きく違います。例えば、次のようなものです。
- デザインだけでなく、営業と一緒にお客様のところへ行ってプレゼンテーションや打ち合わせに参加する必要がある
- 社内の関連部署や担当者などとのコミュニケーション・調整が必要である
- デザイナーが複数いて、その人たちと連携して仕事をしなければならない
もしも転職を考えている場合には、就職先の会社に仕事内容・仕事のフローを確認しておくことをおすすめします。
上手く聞けるか心配な人は、事前に企業の口コミサイトなどを使って調査しておきましょう。キャリコネだと無料で仕事内容や収入、企業の内情などがわかりますので、チェックしておくと良いです。
コミュニケーションが必要だからと言ってビビりすぎる必要はない
コミュニケーションが必要だと聞くと、ビクビクと恐れおののいてしまうかもしれませんが、あなたの好きな仕事であれば、ここはさほど影響はしないでしょう。「このデザインの意図はこれです」という意図をしっかりと伝えればよいです。デザインというのは、必ずしも相手の言うとおりに作る必要はありません。「こういったご要望をいただきましたが、閲覧者のニーズはこういうものだと思うので、こんなデザインにしてみては?」と提案していきましょう。創意工夫をしても怒られるものではありません。
意に沿わない変更要望があったら、魔法の言葉「検討します」
デザイン系の仕事は「これで完璧だ!」「絶対これが良い!」と思っていても、最終決定権は依頼者(多くの場合にはお客様:クライアント)にあります。社内からの依頼の場合には社長とかが最終決定者でしょう。
彼らは、こちらが完璧だと思うデザインを作っていっても「うーん、背景は赤で派手にしたい」とか「ここはピカピカ光らせて」「NEW!って入れて」など無茶苦茶なことを言いやがります。私も似た経験がありますので、よーくわかります。
「邪魔するんじゃねえ!」と思ってもグッと堪えないといけない時も出てくるのです。私の場合、このパターンだと急激にやる気がなくなります。そんな時には「一旦検討します」として逃げましょう。ポロリと本音がでそうになったら、この言葉です。
最後はADHDの人がデザイナーに向いている理由とは脱線しましたが、もしもデザイナーを目指している人は参考なれば嬉しいです。
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