社会人になってからはミスの連続だったというADHDさん。心療内科で別の仕事を勧められ、今ではとても楽しく仕事をしているとのこと。では、詳しくどうぞ。
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おさらい:注意欠陥/多動性障害(ADHD) とはそもそも何か
ADHDとは「注意欠陥多動性障害」の略称です。大きくわけて、不注意型、衝動型、多動型の3タイプがあります。
ADHDの人数は「男の子の方が3倍から5倍ほど女子より多い」と言われていますが、女子は不注意型が多いというだけで見つかりづらいだけとも。不注意型は子どもの頃にはあまり見つからず、ただ不注意なだけなので、学力的なレベルも悪くはありません。ADHDの人たちは、むしろ興味があることに対しては素晴らしい集中力を発揮することもあります。
不注意型の症状が顕著に出てくるのは、ミスが許されないような事務職などの仕事に就職したときです。そのため、子どもの頃はボチボチ成績もよかったけれども、仕事をし始めてから怒られ「発達障害」や「ADHD」という言葉を知って調べてみると「あ、当てはまる…」となるケースが増えています。ADHDの人は、何度も同じミスをしてしまうため、周囲からは「やる気がない」「さぼってる」と思われやすいです。自己肯定感が低くなり、うつなどの二次障害が発生する可能性が出てきてしまいます 。
ADHDさんの性別・年齢
女性 20代後半
ADHDさんの普段の性格
私は社交的ではありますが、「他人からの視線」を怖がる性格です。初対面の方とお話しするときは「喋りすぎていないか」「変なことを言っていないか」など、気疲れしてしまうことが多々あります。
また団体行動が苦手で、大勢で話している会話の中に入るのが昔から苦手でした。特に立食パーティーのような場では自分から輪には入らず、端で誰かが来て会話するようなことが多かったように思います。
ですが、一度仲良くなった方には、とても世話焼きで少しでも役に立ちたがるタイプです。買い物の荷物を多めに持ったり、お会計を少し多めに払ったり…。「私と居ることのメリット」がないと、冷たくされるのではないかと心配になってしまいます。
そして、根本的にネガティブで泣き虫です。良くも悪くも、感情が高ぶると涙がすぐ出てしまいますし、何事も悪いほうに考えてしまいがちです。
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このADHDさんの発達障害の症状は?
私の場合は、人よりも記憶力が無く、一度集中してしまうと他に気が行かなくなってしまうことです。ついさっき触っていたはずのペンをどこに置いたかわからなくなってしまったり、注意がそれて財布をバス停のベンチに置き忘れてしまったり…。学生時代には、1年の内で定期券を4~5回無くし、親にとても怒られた経験もあります。
それが原因で、仕事での小さなミスを頻繁に起こしていました。指示されていたことを忘れてしまうことも多く、2度目に言われ思い出し慌てて作業するなど多々ありました。他にも、間に急に別な作業が入ると戻ってからの作業がわからなくなって1からやり直してしまったりすることも多かったように思います。
また時間管理がとても苦手で、なんとか仕事に遅刻することは減りましたが、友達との約束には遅刻することがほとんどです。少し時間が余ってしまうと、何かし始めてしまい気が付いたら時間をオーバーしてしまいます。その為時間の余裕をあまり持たないので、不測の事態に対応ができず遅れてしまうこともあります。
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子ども時代の症状、ADHDだと認識したきっかけ、やっているADHD対策
子供のころも、今から思えば忘れ物が多くすぐにものを無くしました。小学校の頃、お遣いに出され持っていた1000円札をポケットに仕舞ったつもりが落としてしまい、こっぴどく母親に叱られたことを覚えています。
落ち着きもなくじっと先生のいうことを聞いていられない子でもありました。気になることが他にあると、そちらに気が行ってしまい話が耳に入ってこず、先生に当てられても答えられないことがありました。
私がADHDを知ったきっかけは転職時の軽度のうつ状態のときでした。とても悲観的になり、規則正しい生活をしても眠気が酷く、物忘れも前にも増して激しくなったため、心療内科に通院し始めたことが切欠です。念のため、ということで先生に診断をして頂いた結果、ADHDであることが発覚しました。
そこから、記憶力のない私が忘れ物をしないために、逐一何かにメモを取ることを心がけました。できる限り「自分の手で書く」ことで覚えようと努力しています。また、日常生活で確認をするようにしました。荷物は全部持ったか、忘れ物はないかなどを指さし確認したり、数で確認したりしています。そうすることで、少しは失敗が減ったように思います。
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仕事でのケアレスミスの罪悪感からADHDさんを救ったもの
大人になってからの苦労は、やはり仕事でのケアレスミスでした。
最初の内は「新入社員だから」「新人だから」と許されていたのですが、それが続くにつれ徐々に人間関係も悪くなり、結果先輩方に裏切られるような形で仕事を続けられなくなりました。
決してそのころメモをしていなかった訳ではないのですが、様々な作業に追われ、ついそのメモを「見返す」ことができていなかったのが原因だと、今になって思います。勝手に自分で順序立てて物事を進めてしまったために、先輩の希望に沿った仕事ができず迷惑をかけてしまいました。
また、1度怒られてしまうと不安になり、その不安な気持ちに思考が向き作業が疎かになってしまうことも多々ありました。
作業を忘れてやった仕事が疎かでやり直す…先輩方からすればこれは3度手間ですから、人間関係が悪くなって当然です。信頼を失い、任せられていた別の仕事で先輩方にお手伝いをお願いしても上手く行かず結果失敗する、という悪循環に陥ってしまった私は、その職場を辞めざるを得ませんでした。
そんな時、とても嬉しかったのは母の一言でした。「あんたはまだ子どもだから。」否定されているようにも聞こえますが、この言葉のおかげで私は罪悪感から救われたような気がしました。自分が子供だと開き直ってしまえば、素直に謝ることができ、前向きに考えることができるようになりました。
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ADHDさんの生じた二次障害は?
特になし
現在のADHDさんの状況は?ADHDを乗り越えて働く秘訣は?
以前は、接客・販売業で働いていたのですが、心療内科の先生から「1つの作業に集中できる職種がいい」とアドバイスいただき、今の職場に就職しました。
仕事は自分が集中できる好きなものにしようと、WEBデザイナーとして働いています。デザインなら集中して作業していても基本的に注意されることはありませんし、同時に複数の作業を行うこともほぼありません。
また、タスク管理は自分自身で行っています。ごくまれに上司に指摘されることもありますが、基本的には「自己責任」です。自分が行ったミスは自分で直しますし、そのゴールにたどり着くのなら、手順はどうであれ構わない、という方針です。
こうすることで私自身が「他人に迷惑をかける」という罪悪感でケアレスミスを起こすことも激減し、自分の順序で集中して取り組むことができるようになったので、今ではとても楽しく働いています

- 自分の好きなことである
- だから集中できる
- 1つの集中できる
- 自己完結で仕事が終わる
いいですね。ADHDの人でもいろんな人がいますので、どんな仕事が合うのかは人それぞれ違います。ただ、このADHDさんの場合には、デザイナーがジャストフィットだった、と。 ADHDの人の適職として挙げているものの中にもデザイナーはありますね。
ポイントは、得意なことを仕事にする!ですね。
あなたがADHDの場合、これからどうすべき?
仕事面でまだまだ余裕があるよという方
特性を理解して「合わない仕事」に転職しないようにしましょう。
>>ADHDに向いてる仕事(職業)33選+転職の仕方と事例集
仕事に行くのが辛くなりかけているけど、半年以上は転職しないよという方
スカウト型の転職サイトで転職の用意だけしておきましょう。
>>個人的におすすめしたい転職サイトの登録先。スカウトで転職編
仕事のことを考えると鬱々した気持ちに…すぐにでも転職したい方
強み分析から職務経歴書のアドバイスまでできる転職のプロ(エージェント)に頼りましょう。
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