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発達障害の子に使ったことがある教材はどんなものがある?
というテーマで体験談を募集しました。今回は、知的障害のある自閉症の子が「絵カード」ではなかなか習得できなかった「色」を勉強した方法です。
発達障害の子の年齢・性別
8歳の男の子
その子の発達障害の種類は、知的障害のある自閉症タイプ
知的障害を伴う自閉症です。
発達障害の中でも知的に重いタイプなので、小学生になる今も言葉は単語や2語分程度でが、必要な要求はできるようになっています。
特徴は自閉症にありがちなこだわりがかなり強くあります。特に食事が顕著で偏食には小さいころから悩まされました。野菜を食べないとかいうレベルではなく食べられるものは片手で数えられるそうな状態でした。
口の中の感覚過敏が強く出ていて、また時期によっても変動があり、その時々で食べ物のブームが変わっていきます。ただ小学生になり給食がはじまってからは徐々にですが、食の幅が広がってきました。
視覚優位なので道を覚えるのが得意で、また1度来た場所は何年前であろうとも忘れていないという特徴があります。その特徴は長所でもありますが、例えば病院など嫌な記憶も忘れることはありません。
ただ視覚優位ではありますが、耳からの指示も入るタイプだとは言われています。
使った教材の名前はニック社プラステン
ニック社 プラステン
勉強・学習面で抱えていたのは絵カードで理解できなかった「色」の学習
2~3歳ごろ絵カードを使い、言葉は覚えていけたのですが、物の名前ではない「色」の学習はとても難しい課題でした。
例えばクレヨンで描いて「あお」「あか」と覚えても、それはクレヨンのことなのか、描く形のことなのか、間違って覚えてしまっているようでした。まだ色の概念がなかったのだと思います。そこで療育の先生に相談すると、色分けの教材で色別に分けるという作業ができるようになると色を認識しやすいので、「最初は遊びの延長から始めていけばよい」とアドバイスをもらい、その療育施設でも使っていたニック社 プラステンを購入してみました。
自閉症の子が「プラステン」で色分けできるようになるまで
5本の棒が立っていて、黄、赤、青、緑、白のリングを分けて入れる教材です。
最初は棒にリングを入れるということも2.3回で飽き、リングをばら撒きながら遊んでいたのですが、だんだん集中力がついてきたので、色に関係なくとにかくリングを棒に通すことを始めました。
次は2つの色だけを出すようにして、次第に「黄色はこっち」「赤はこっち」というように誘導していきました。そうすると自然と自ら色分けができるようになり、徐々に色を増やして行きました。
色分けができるようになっても色の認識ができたかどうかはしばらくわからなかったのですが、そのうちプラステンで遊びながら「あか」「あお」などは正しく言えるようになりました。療育の先生の言葉の通り、自分で色分けをすることで色に集中するので、そうした繰り返しで色と物の違いも覚えていけたような気がします。
悪かった点は特にありませんが、ちょっと買うのを迷うくらい価格は高かったです。

- 棒にリングを入れる作業
- 速攻で飽きる
- 集中力がついてきたタイミングで色に関係なく棒に通す
- 2色だけで色分けを開始→自然と色分けができるようになる
- 色分けする種類を増やす→遊びながら色の発声ができるようになる
価格はAMAZONや楽天で調べると7,000円くらいみたいですね。
プラステンを使ってみて一番嬉しかったことは、散歩中に花の色を言ったこと
教材を使いながらも色の認識ができたかどうかはハッキリしなかったのですが、ある日散歩中に花が咲いていたので私が「花綺麗だね」と言ったら「あか」と正しく色を言ったので感動しました。続いて黄色い花を見つけて「この花の色は?」と聞いてみると最初は無言でしたが、私が「き」だけ言うと「きいろ」と答えてくれました。勉強の最中の出来事ではないのですが、プラステンの色分けの成果が実感できた瞬間でした。その後信号の色などもわかるようになりました。
一番成果を感じ嬉しかったのはその花の色が言えたことでしたが、この教材は最初は目的に添って遊べなくても、本当にゆっくりでも徐々に徐々に成長を感じられる教材なので、親として嬉しい変化をたくさん何度も感じさせてくれました。
