アスペルガー症候群の人が、仕事でどんなことに困り、どんな風に対策しているのか。転職したことがあるのか、転職の際にアスペルガー症候群であることを伝えたか、どんなサイトを使ったか、などを聞いてみました。
Contents
- 1 おさらい:アスペルガー症候群とは
- 2 アスペルガーさんの性別・年齢
- 3 アスペルガーさんの普段の性格
- 4 このアスペルガーさんの発達障害の症状は?
- 5 子ども時代の症状、アスペルガーだと認識したきっかけ、やっているアスペルガー対策
- 6 社会人になってから困ったことや苦労などの体験談、職場から受けた支援・サポート
- 7 アスペルガーさんの生じた二次障害は?
- 8 転職したことは?
- 9 使ったことがある転職サイトは?
- 10 転職の際、発達障害であることを伝えましたか?
- 11 転職の際「発達障害である」と伝えた際、何か影響はありましたか?
- 12 現在のアスペルガーさんの状況は?アスペルガーを乗り越えて働く秘訣は?
- 13 オススメ記事
- 14 その他のオススメ記事
おさらい:アスペルガー症候群とは
広汎性発達障害に分類される発達障害です。主な症状・特徴としては、他人のとのコミュニケーションが苦手であることが挙げれます。冗談を冗談と受け止められなかったり、お世辞を本気に思ってしまうようなことがあります。
例えばこんな会話が繰り広げられます。
A「お風呂にお湯ためてるから見てきて」
B「見てきた。お湯があふれそうだったよ」
A「ああ、ありがとう。お湯は止めてくれた?」
B「いや、止めてない。」
A「え?あふれそうなんでしょ?」
B「でも、見てきてって・・・」
A「あふれそうだったら止めてきて、っていう意味で頼んだんだよ!わかるでしょ!」
B「え・・・」という具合です。行間を読んだり、相手の意図をくみ取るのが苦手なので、指示や依頼をされるときなどは具体的な指示をしてくれないと理解できません。この場合にはAさんが「お風呂にお湯ためてるから見て、あふれそうだったら止めてきて」と言わないと真意が通じないのです。
また、表情やしぐさなどの態度から相手の気持ちを推し量ることも苦手です。
アスペルガーさんの性別・年齢
女性20代後半
アスペルガーさんの普段の性格
普段はおっとり穏やかな性格をしています。アスペルガー症候群の人は落ち着きがないというイメージを持たれているようですが、私の場合はそれには当てはまりません。周囲の人からは、マイペース、のんびりしているといわれることがあります。
行動が過剰になりやすいのは男性で、女性のアスペルガー症候群の場合は、おっとりしていることもあるようです。そのため、アスペルガー症候群であると子供のころに親が気がつかないケースもあります。
このアスペルガーさんの発達障害の症状は?
対人関係で問題があります。
人とコミュニケーションをすることが苦手で、自分の殻に閉じこもりがちです。会話をしていても、ときどき会話の内容がかみ合わないことがあります。
言われたことをそのまま受け取ってしまうので、傷つくこともあります。たとえば、「行動がゆっくりだね」といわれると、ゆっくりすぎて迷惑なのだと受け取ってしまいます。相手としてはゆっくりで丁寧だ、慎重に仕事をしてくれるとい意味で言ったそうですが、そのようには受け取れませんでした。
コミュニケーションが苦手なので、大勢の中では一人でぽつんといることがあります。自分は一人でいても苦ではないですが、周りから見ると大勢の中に入らず一人でいることが変に見えるようです。
子ども時代の症状、アスペルガーだと認識したきっかけ、やっているアスペルガー対策
子供のころからコミュニケーションが苦手で、一人遊びが多かったです。一人で人形遊びをして人形に話しかけたり、おままごとをしたり、塗り絵をしたり、絵本を読んだりなどしていました。親は友達が少ないことを心配していたようです。
発達障害の子供は友達の輪の中に入りにくかったり、周りに興味を見せないことがあるので、もしかしたら発達障害なのではないかとも親は思っていたそうです。しかし、具体的に対策をしたり検査をすることはありませんでした。
社会人になってから困ったことや苦労などの体験談、職場から受けた支援・サポート
記事の編集作業をしています。自分のペースでしか仕事ができないため、仕事をたくさんいわれてしまうと困ります。
仕事に取り組んでいるとき、新たに仕事を頼まれると、これもやらなければ、あれもやらなければとパニックになります。今までやっていた仕事をどのように進めればいいのかわからなくなってしまうし、次に頼まれた仕事もどうやって手をつけたらいいのかわかりません。
このことを上司に話したところ、一つの仕事が終わったら次の仕事に移るように対策をしてくれました。一度にいろいろなことを言わず、一つ一つ説明をしてくれるようになりました。一つ一つ丁寧に説明をしてもらえれば、今何をやらなければならないのか、どのような手順で進めればいいのかがはっきりわかるようになりました。
アスペルガーさんの生じた二次障害は?
アスペルガー症候群の二次障害として強迫性障害があります。
強迫性障害というと手を洗うことをやめられない、鍵を閉めたか何度も確認をするといった症状が多いようですが、私の場合は行動ではなく考えに悩まされています。
何度も同じ考えが浮かんだり、何度もおまじないのように唱えないと安心できません。止めようと思っても同じことを考えてしまいます。何度も何度も同じ考えをしたり、おなじないを唱えているので疲れます。周りには知られていないようです。
転職したことは?
転職したことがある
使ったことがある転職サイトは?
マイナビ転職
※マイナビ転職エージェントなどを大手サイト
転職の際、発達障害であることを伝えましたか?
口頭で伝えた。
転職の際「発達障害である」と伝えた際、何か影響はありましたか?
理解がある職場の方だったので、仕事がやりやすいような配慮をしてくれました。伝えなかったら周りは何もわからず、職場に迷惑をかけていたと思います。理解がある人に出会えてよかったです。
しかし、中には頭が悪い、怠け者なだけ、と思っている人もいました。そのような人にも上司が説明をしてくれました。理解が難しかった人は、はじめは嫌な顔をしていましたが、今ではそういうものなのだと理解を示してくれています。周りからのいじめもありません。
現在のアスペルガーさんの状況は?アスペルガーを乗り越えて働く秘訣は?
現在は問題なく働けています。
順調に仕事ができるように工夫をしていることは、言われたことをすぐにメモすることです。些細なことでも必ずメモするようにしています。
メモをしないとすぐに忘れてしまし、何をどの順番で行ったらいいのかわからなくなります。しかし、メモをすることで、いつ何を言われたのか、どれを優先させなければならないのかなど、仕事の進め方がはっきりとします。
メモをする際には、ポストイットを利用しています。一つの紙に一つのことだけを書くようにしています。そして、目につく場所に貼っています。メモ帳だとゴチャゴチャしてわからなくなるし、メモ帳を見返すことを忘れてしまいます。しかし、目につく場所にポストイットを貼っておけば忘れることがありません。

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