アスペルガー症候群とは
広汎性発達障害に分類される発達障害です。主な症状・特徴としては、他人のとのコミュニケーションが苦手であることが挙げれます。冗談を冗談と受け止められなかったり、お世辞を本気に思ってしまうようなことがあります。
例えばこんな会話が繰り広げられます。
A「お風呂にお湯ためてるから見てきて」
B「見てきた。お湯があふれそうだったよ」
A「ああ、ありがとう。お湯は止めてくれた?」
B「いや、止めてない。」
A「え?あふれそうなんでしょ?」
B「でも、見てきてって・・・」
A「あふれそうだったら止めてきて、っていう意味で頼んだんだよ!わかるでしょ!」
B「え・・・」
という具合です。行間を読んだり、相手の意図をくみ取るのが苦手なので、指示や依頼をされるときなどは具体的な指示をしてくれないと理解できません。この場合にはAさんが「お風呂にお湯ためてるから見て、あふれそうだったら止めてきて」と言わないと真意が通じないのです。
また、表情やしぐさなどの態度から相手の気持ちを推し量ることも苦手です。
アスペルガー症候群の特徴
以下の3つが苦手です。
- 会話能力(コミュニケーション能力)
- 想像力
- 社会適応力
会話能力(コミュニケーション能力)が乏しい
- あいまいな表現が苦手「今日どうだった?」などは「何が?」と本気で思う
- 冗談や皮肉が通じない
- 人の気持ちが理解できない
- 正直かつ真面目であり意図せず無礼な振る舞いをしてしまう
- 比喩が苦手
- 洒落が苦手
- ユーモアが苦手
- 冗談が通じないので「バカだなー」と言われたりすると落ち込むことがある
- 相手の気持ちに配慮した発言は苦手(ストレートな表現をしすぎる)
- 自分の欲求はしっかり伝えことができる
想像力・創造力が乏しい
- ルールが決まっていることや見えること・したことのある事のみを好み、経験したことのないことをするのが苦手
- 自分の発言や行動が、その場にどんな影響を与えるか考えられない
- 髪を切った子が「似合わないかなあ」と言っていたら、「うん、似合わないね。失敗だ」とか言っちゃう。
- ごっこ遊びができない(子どものころならままごとなど)
- こだわりが強い(自分の決めたルールは守らないと気持ち悪い)
- ルール外のことができない
- 創作活動ができない
- パターンが狂うと困る
社会適応力が乏しい
- 場の空気が読みづらい
- 暗黙のルールがわからない
- 人の表情を読み取りづらい
- 自閉症よりも対人関係に優れる
その他の特徴・症状
- 健常者以上に言語力に優れる場合もある
- こだわりは自閉症よりも弱い
- 正直で生真面目なのでルールはきっちり守る
以上のような症状や特徴があります。
当てはまったからといって、アスペルガー症候群であるとは限りませんので、もしも気になる人は専門の病院などできっちりと診察してもらいましょう。
アスペルガー症候群の原因は?
発達障害全般に言えることですが、原因は何らかの脳の障害ということだけしか分かっていません。ただ、子育ての仕方や親からの愛情不足が原因ではありません。妊娠中や出産の時の何らかのトラブルなどが要因という説もあります。
ただ、子育ての仕方が原因ではないという風に述べましたが、同じ家族内には発達障害を持つ人が多いという傾向はあります。発達障害は遺伝するのか遺伝しないのかわかっていませんが、私自身が発達障害の人たちと関わって感じることは、間違いなく遺伝しているだろうなということです。
参考:発達障害が遺伝する確率は100%ではない。が、親が発達障害だと約90%の人が遺伝すると感じている
アスペルガー症候群と自閉症の違い
自閉症との違いは知的な障害が伴わないことです。
アスペルガー症候群は知的な遅れがないため、周囲からは気付かれにくくADHDなどと同様に「ちょっと変わってる」と思われるだけのケースが昔は多かったです。最近になって、発達障害、アスペルガー症候群などに対しての認識が広がってきたことや、診察可能な病院が増えてきたことから、見つかりやすくはなっています。