発達障害の遺伝

発達障害と定型発達の親、約400人に発達障害の遺伝の可能性を調査した結果

発達障害は親子で遺伝すると思う?のアンケートをしてみた

私の個人的な感覚では、発達障害は遺伝すると思っています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
発達障害が遺伝する確率は100%ではない。が、親が発達障害だと約90%の人が遺伝すると感じている
(タイトルはこの記事のアンケート結果を加えた内容に修正しています)

で、実際のところ他の人たちはどう思っているのかをアンケートしてみました。質問項目は以下のとおりです。

  1. あなたもしくは配偶者は発達障害だと思いますか?
    → はい(たぶんそう)いいえ(たぶん違う)
  2. あなたの子どもは発達障害だと思いますか?
    → はい(たぶんそう)いいえ(たぶん違う)
  3. 発達障害は遺伝すると思いますか?
    →はい いいえ

以上の3問です。

サンプル数は約400件です。興味深い結果が出てきましたのでそのレポートをまとめます。

発達障害は親子で遺伝すると思う?とアンケートした結果

自分や配偶者(夫や妻)が発達障害だと思う人+子供も発達障害だと思う人は、96%もの人が「遺伝する」と思っている

  • 自分もしくは配偶者が発達障害だと思う人 97
  • うち、子どもが発達障害だと思う人 70
  • 遺伝すると思う人 67
  • 遺伝すると思っている人の割合:約96%

「遺伝する」と思っている人の率がめちゃ高い!!恐らくこの人たちは、発達障害自体にも詳しい人たちです。自分が発達障害であることを認識し、子どももそうかも・・・と思っている人たちですので当然と言えば当然でしょうか。

では、逆に「自分や配偶者が発達障害だと思っている」けど、
「子どもは発達障害ではないと思っている」人だとどうなるか。

自分や配偶者(夫や妻)が発達障害だと思う人+子供は発達障害ではないと思う人は、「遺伝する」と思う人は70%に減る

  • 自分もしくは配偶者が発達障害だと思う人 97
  • うち、子どもが発達障害だと思わない人 27
  • 遺伝すると思う人 19
  • 遺伝すると思っている割合:約70%

自分の子が発達障害だとは思っていなくても、遺伝すると思ってるのですね。興味深いです。これは周囲の発達障害の人を観察しての結果なのでしょうか。

自分や配偶者が発達障害だと思っている人は、発達障害は遺伝すると思っている率は89%

  • 自分もしくは配偶者が発達障害だと思う人 97
  • 子どもの状況に関わらず遺伝すると思う人 86
  • 遺伝すると思っている割合:約89

子どもが発達障害であろうとなかろうと、やはり当事者である自分自身や配偶者が発達障害だと遺伝すると感じているようです。みんな自分のことになると、強く遺伝ぽさを感じるみたいですね。

自分や配偶者(夫や妻)が発達障害だと思わない人+子供も発達障害だと思う人は、52%の人が「遺伝する」と思っている

次に行きましょう。

自分や配偶者が発達障害だと思っていない人の場合です。

  • 自分もしくは配偶者が発達障害だと思わない人 304
  • うち、子どもが発達障害だと思う人 33
  • 遺伝すると思う人 17
  • 遺伝すると思っている人の割合は約52%です。

自分自身が発達障害であると思っていない人たちなので、そもそもが子どもが発達障害だと思っている人自体が約11%とかなり少ないです。そして、遺伝すると思っている率も低めですね。

自分や配偶者(夫や妻)が発達障害だと思わない人+子供も発達障害だと思わない人は、40%の人が「遺伝する」と思っている

逆を見てみましょう。

  • 自分もしくは配偶者が発達障害だと思わない人 304
  • うち、子どもが発達障害だと思わない人 271
  • 遺伝すると思う人 107
  • 遺伝すると思う割合は、約40%です。

自分も子供も発達障害だと思っていないので、「そもそも発達障害って遺伝するの?本当?」という感じでしょうか。ここでは「遺伝する」と感じている人が40%まで落ちました。発達障害の人が身近にいないと「遺伝する」という感覚は出てこないようですね。

発達障害の人とそうではない人の間の理解度や温度差を感じる

このアンケートを通して感じたのが、自分や子どもが発達障害であるかどうかによって感じ方が全く違うということです。発達障害が身近でない人にとっては、「遺伝なんてするの?」という印象でしょうね。
これだけ認識が違うと、発達障害だとしても「努力が足りない!」とか「なんでできないんだ!」とか言ってしまう職場や家庭が多くても不思議でない気がします。

理解が及ばないが故に子どもにキツく接しないかちょっと不安

そして、ちょっと怖いかなーと思ったのが、親が発達障害ではないけれども子供は発達障害だと思っているというパターン。「遺伝すると思う」という人が約半数です。つまり、半分の人は「遺伝しているとは思わない」というわけです。

私が他の人を観察していて感じるのが、「この人多分ADHDだろうなー」とか「アスペルガーっぽい症状に当てはまりまくる」という人でも、自分自身が発達障害であると感じていないケースが結構あるのです。そして「発達障害の人を相手にするのは大変だ」とか愚痴みたいなことを言っていたりします。
自分が発達障害でないと感じている人は、なんとなく発達障害の人を見下している感があるのです。私は内心「いやいや、あなたもですよ」と思うのですが、きっと気分を害されると思うので言っていません。

少し話がそれましたが、親が発達障害でないのに子どもが発達障害であると感じている家庭の場合には、このようにちょっと子どもを「なんで発達障害なのよ」と感じてしまって、疎んだりしてしまうことがあるのではないでしょうか。

発達障害で大人になっても上手く生活していくためには、自己肯定感の高さは必須です。親がもしも、子どもをしっかりとサポートできていなければ、二次障害が起こりやすくなってしまいそうです。

発達障害に関しては医学的に今一つわからないことだらけです。早く解明されて発達障害に対する理解が深まれば良いのですが、まだまだ先の話になりそうですね。

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  • この記事を書いた人

管理人

30代。普通に就職するも興味のない仕事で全くやる気が持てず二度転職。 今は好きな仕事をしてるけどやる気の波が超激しい。 ADHDの気はあるけど「やればできる!(できないことは覚えてない)」と自己肯定感がめちゃんこ高いのが取り柄。

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