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ADD(注意欠陥障害)とは
ADHD(注意欠陥・多動性障害)と似ていますが、ADDは注意欠陥に特化したものです。
ADHDとは「注意欠陥多動性障害」の略称です。大きくわけて、不注意型、衝動型、多動型の3タイプがあります。
ADHDの人数は「男の子の方が3倍から5倍ほど女子より多い」と言われていますが、女子は不注意型が多いというだけで見つかりづらいだけとも。不注意型は子どもの頃にはあまり見つからず、ただ不注意なだけなので、学力的なレベルも悪くはありません。ADHDの人たちは、むしろ興味があることに対しては素晴らしい集中力を発揮することもあります。
不注意型の症状が顕著に出てくるのは、ミスが許されないような事務職などの仕事に就職したときです。そのため、子どもの頃はボチボチ成績もよかったけれども、仕事をし始めてから怒られ「発達障害」や「ADHD」という言葉を知って調べてみると「あ、当てはまる…」となるケースが増えています。ADHDの人は、何度も同じミスをしてしまうため、周囲からは「やる気がない」「さぼってる」と思われやすいです。自己肯定感が低くなり、うつなどの二次障害が発生する可能性が出てきてしまいます 。
ADDはこの中の「不注意型」です。ADDの人は、とにかくミスが多いのです。何度注意されても同じミスをします。事務系の職種で苦労している人は、ADDぽい人が多数いるようです。私が見てきた人でもそんな様子でした。
- 机の上がポストイットまみれになっている
- 何事も細かすぎるチェックリストが必要になる
- それでも何度もミスをする
- 作業をしていると他の事が気になる
- 他の事をすると最初にしていた作業でもミスをする
ミスにミスを重ねていきます。そもそも事務職というのはミスが許されない性質の仕事です。決まったルールの下、しっかりと作業をこなす必要があります。お金を扱うこともあり、ミスをすれば大変なことにもなりえます。
いくつか事務職の例をあげてみましょう。
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臨機応変な対応力が求められる電話対応などの仕事
例えば電話がかかってきたものを受ける際、相手の言っている内容をきちんと聞き取り、担当者へ電話を取り次いだり要件を的確に伝えることがメインとなります。ADHDの場合でも、これは比較的容易でしょうが、相手の名前を聞き取り間違えてしまったり、想定外の対応が必要なときには軽くパニック状態になってしまうかもしれません。
経理的な処理が必要な仕事
最も間違えてはいけない仕事、それはお金にまつわるものです。例えば銀行などではお金がの勘定が1円でも合わない場合、全員が総動員でその1円がどこにいったのか探したり確認したりします。銀行員でADHDまたはADDの人はきっと相当しんどい思いをしているのでは?と思います。一般の会社の事務職の場合、そこまで大げさではないですが、エクセルなどでの打ち間違いや書類管理ミスなどで計算が合わないと怒られます。そして注意事項を自分のデスク付近にポストイットなどでぺたぺた貼って対策しようとしますが、注意事項が多くなりすぎてミスが重なってしまいます。
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営業事務・営業管理系の仕事
営業員からの伝票などの処理が中心です。これもお金にかかわる仕事なので、ミスが許されない仕事の一つです。書類が足りない場合に取引先や営業員に確認する場合、誰に何を確認するのが適切で最も早いのか、考えて処理する必要があります。
ADHDの場合に起こりがちなミスは、伝票をなくしてしまったり、入力ミスなどによる計算間違いなどです。
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秘書的な仕事
社長や取締役などの重役クラスのスケジュール管理、電話対応や時には接待などにも同行します。スケジュールの細かい調整をきっちり行い、先を見据えて準備などをする必要があります。ADHDの場合、スケジュールの細かい調整でチョンボをやらかす可能性が否めません。
ただ、コミュニケーションは得意な人が多いため、接待などでは活躍するかもしれません。
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ADHDで注意欠陥障害(ADD)ぽいけど事務職に就いていた人たちの事例
発達障害の人の仕事事例集に掲載しているADHDの方からの投稿もいくつかピックアップしてみます。上記で例にあげたほぼそのままの事例そのままです。
社会に出て事務職に就いたのですが、伝票整理を頼まれても結局グッチャグチャになってしまい、たかが伝票整理に丸一日かかってしまい、上司たちに叱られました。
さらに電話の対応は苦労しました。名前と用件を聞き「はい。分かりました」と電話を切った瞬間に忘れてしまうんです。本当に一生懸命思い出しても思い出せなくて、顧客にも会社側にも非常に迷惑をかけました。メモをもちろん取るのですが、言葉一つ一つすべてをメモしないと分からなくなってしまうんです。そんなことを繰り返しているうちに「もう電話には出るな」と言われました。
お客様が来たときも、パニックしてしまいました。順序良くできなくて、焦ってしまい「お茶やお菓子をどう出して、準備して」と考えると頭の中で整理がつかなくて、結局先輩にやってもらうことが多かったです。
仕事の出来ない私はただ迷惑をかけるだけでしかなかったので自主退社しました。周囲のサポートはとくにありません。ただ、できの悪い事務員としか思われていませんでした。
30代後半女性のADHD、事務職に就職もミスが続き自主退社へより
- 転職先では仕事の種類が多岐にわたり、ミスが許されないものが非常に多い
- マニュアルをもらい何度も丁寧に指導してもらっていた
- しかしミスをしてしまう
- 怒られることが嫌でメモを取ろうする
- しかしメモを聞いている間、理解しようと必死になりメモすること自体を忘れてしまう
- メモを取ったとしても別の案件が入ってくるとメモの存在を忘れてしまう
- メモがたくさんありすぎて何を見ていいのかわからなくなる
- 二度とこんなミスはしたくないと決意するが、その決意を忘れてしまう
- そして同じミスをする
上司からまた怒られる→メモが増える→メモしたこと自体を忘れる(orメモが多すぎて見つからない)→仕事でミスをする→
また怒られるの地獄のスパイラルに突入していました。
上司「ADHD?あなたのミスは甘え」女性はメモ忘れループ地獄へ【体験談】より
ADDやADHDならミスが許されない仕事は、さっさと退職するなり転職するなりしよう
ADHDの人は、ボーっとしているように見えることもあるのか、周囲からは「やる気がない」「サボってる」と思われてしまうこともあります。「ぼーっとしているからミスをするんだ!」なんて思われたりして。「いや、違うんですよ!」とはなかなか言えないものだし「たしかのボーッとしているのかも・・・」なんて思ってしまったりもします。
何とも厄介ですが、このことを受け止めて前に進んでいくしかありません。ただ、個人的にはボーッとしているとか思われるのは癪にさわります。なので、私の場合には転職しました。別の道を模索したのです。私なんてこのサイトを見ていてもお気づきかもしれませんが、結構な誤字脱字をしています。ミスの許されない仕事なんかに就職や転職をしてしまったら、きっと怒られてばかりで針の筵(むしろ)状態だったでしょう。
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