アスペルガー症候群の人が、仕事でどんなことに困り、どんな風に対策しているのか。転職したことがあるのか、転職の際にアスペルガー症候群であることを伝えたか、どんなサイトを使ったか、などを聞いてみました。
Contents
おさらい:アスペルガー症候群とは
広汎性発達障害に分類される発達障害です。主な症状・特徴としては、他人のとのコミュニケーションが苦手であることが挙げれます。冗談を冗談と受け止められなかったり、お世辞を本気に思ってしまうようなことがあります。
例えばこんな会話が繰り広げられます。
A「お風呂にお湯ためてるから見てきて」
B「見てきた。お湯があふれそうだったよ」
A「ああ、ありがとう。お湯は止めてくれた?」
B「いや、止めてない。」
A「え?あふれそうなんでしょ?」
B「でも、見てきてって・・・」
A「あふれそうだったら止めてきて、っていう意味で頼んだんだよ!わかるでしょ!」
B「え・・・」という具合です。行間を読んだり、相手の意図をくみ取るのが苦手なので、指示や依頼をされるときなどは具体的な指示をしてくれないと理解できません。この場合にはAさんが「お風呂にお湯ためてるから見て、あふれそうだったら止めてきて」と言わないと真意が通じないのです。
また、表情やしぐさなどの態度から相手の気持ちを推し量ることも苦手です。
アスペルガーさんの性別・年齢
男性 21歳
アスペルガーさんの普段の性格
普段は大人しい方で、本を読むことを好みます。また映画鑑賞や音楽鑑賞も好きです。運動も好きな方ですが、協調性が好きでないためチームワークを必要とする競技はしません。個人種目のみ今まで続けました。比較的気が長く、怒らない方ではあるものの、一度頭にくると人が変わったように怖いと言われます。家族間でもあまり関係が上手くいってない部分があるので、家でも大概一人で何か趣味や作業をしています。文章を書くことが非常に得意です。コミュニケーションは好みません。
このアスペルガーさんの発達障害の症状は?
アスペルガー症候群、現在では自閉症スペクトラムとひとつに括られるケースもあります。その症状は細かい点を挙げれば千差万別だと思いますが、私の場合はよく知られるコミュニケーションの不得手が大きいです。言語が得意なので、言葉をそのまま理解することは簡単です。本をよく読み、また自分自身が執筆する立場にもあるので、言葉の裏を察することもできます。ですが、日常生活の会話というものは、多くの人が間違った言葉を多用します。間違った言葉を多用しつつ、その意図を察しろとご指摘なさるわけです。そういう部分に関し、ある程度慣れることはできたものの、あまりそういう方々と進んで関わろうとは思いません。他に大きな症状を上げるならば、自分が行っている作業の途中に、誰かが参入すると非常に困ります。
子ども時代の症状、アスペルガーだと認識したきっかけ、やっているアスペルガー対策
私の生い立ちははっきり申し上げてよくありません。ですので、発達障害の恐れは昔からあったものの、検査をすることがありませんでした。そのため非常に多くの苦労を抱えました。子どもの頃は恐らく、傍から見ると奇怪な子どもだったと思います。父親がスパルタだったもので、勉強はよくできました。それ以外の経験について知らなかった子ども時分は、体験しなければ納得がいきませんでした。例えば今でもよく覚えているのが高い石垣のような場所から頭から飛び降りてみたことです。落ちるとどうなるのかを理解していなかった私は、それでようやく落ちたら痛いという事実を知りました。知ることになったきっかけは大学に心理専攻で進学したことです。ですが、現在の大学は高校と変わらないようになったので、非常に上手くいきませんでした。高い学費を払っている理由が見つかりませんでした。
社会人になってから困ったことや苦労などの体験談、職場から受けた支援・サポート
一応成人していますので、大人です。大学を19の頃に中退したので、その後は執筆活動や実家の事業の手伝い、その他アルバイトやライター業をして生計を立てています。今のところ正社員として働くつもりはありません。私の場合は、仕事自体は問題なくできますが人間関係に難があるからです。今も通院をしています。アルバイトは一時期、接客から製造まで経験しました。どれも仕事自体は2ヵ月あれば難なくこなせましたが、職場の方々と揉めることが多かったです。特に上司から(正確には正社員の方にはあまり嫌われていませんでした。アルバイトにあまり興味がない方が多い印象でした。ここでの上司は同じアルバイトの先輩、時間帯責任者を指します)嫌われることが多く、一人だけ嫌な作業を押し付けられることも多かったです。そのため個人で活動し始めたのですが、その理解やサポートはやはり周りからはなかなかありませんでした。
アスペルガーさんの生じた二次障害は?
他の方にも多くありますが、躁鬱などありました。私は生い立ちがあまり良くなかったので、愛着障害などいくつもあり、アスペルガーが原因となっているのかどうか判別がつかないものがあります。そのためこれら全てが一概に二次障害だと断言することはできません。医者もそのように語られました。二次障害だとするなら躁鬱は確実に関係すると思いますので、これについて話しますと、仕事などで不当な扱いをされることも多く、理解がなかったために大きく凹むこともあり、やる気を無くして何日も寝込む時があります。
転職したことは?
転職したことはない
現在のアスペルガーさんの状況は?アスペルガーを乗り越えて働く秘訣は?
現在は個人に切り替えたのでそれなりに順調ではあります。秘訣というほどではありませんが、大事なのは「できないことはする必要がない」とすっぱり諦めることです。楽をするようにという意味ではありません。ですが、アスペルガー症候群は能力の高低にばらつきがあるのが特徴です。当然できない部分の分野で仕事をすれば不当な扱いを受けます。それほど社会は発達障害に対して寛容ではありません(欧米では違いますが)。日本に住んでいる以上、精神分野は発達していないため、医者に頼るのもあまり効果的ではありません。その場その時の対応はしてくれますが将来的な対応までは面倒を見ないからです。そのため、周囲の理解がないことはかなりきついと思いますが、自分で動き出すことが大切です。

オススメ記事
アスペルガーで「どんな仕事に向いてるかわからない」という方へ
他のアスペルガー症候群の大人たちからの仕事の体験談
- 「彼氏は常にいる」「接客業希望」なADHD兼アスペルガーな20代女性
- ?WEBプログラマーのアスペルガーさんが仕事で上手くいっていた理由
- ?怒られるのが嫌で通勤電車から休みの連絡を入れていた50代のアスペルガーさん
- 大学中退、21歳で得意分野も長所も把握して適職に就くアスペルガーさん
- 強迫性障害でおまじないを唱えるアスペルガー女性が仕事でパニックせず対応した方法
- 20代アスペルガー女性、事務職だがコミュ障気味で四苦八苦
- プログラマー歴15年、高次脳機能障害さんの仕事ぶり体験談
- 他の発達障害からの大人の仕事の事例集はこちら
- 【募集中】仕事事例集
その他、オススメ記事