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発達障害の子に使ったことがある教材はどんなものがある?
というテーマで体験談を募集しました。知的障害のある自閉症の子が「絵カード」ではなかなか習得できなかった「色」を勉強した方法の子と同じ子が、「物の名前」を覚えたり「文字」を学習するために利用していた教材についてです。
発達障害の子の年齢・性別
8歳の男の子
その子の発達障害の種類は、知的障害のある自閉症タイプ
知的障害を伴う自閉症です。
コミュニケーションや言葉の発達の遅れで1歳半健診でひっかかり、3歳で診断されました。
1歳半の段階では言葉よりも、指差しをしない、指差した方を見ない、ということからコミュニケーションの遅れを指摘され、やはり同月齢の子と比較してもコミュニケーションがとれていない実感がありました。
生活面では感覚過敏による偏食や、睡眠障害があります。
偏食については、その時のブームで決まったものしか食べないことが多く、時には特定のお菓子しか受け付けないときもありました。
睡眠障害は台風が近づいている時など気圧の変化でなかなか寝付けなかったり、夜中に起きてしまったりします。
症状のピークは2~4歳くらいでした。
現在も様々な課題はありますが、小学校に入学してからは落ち着いてきています。
使った教材の名前は「くもんの生活図鑑カード」
くもんの生活図鑑カード(生活道具カード)
まずは「物の名前」の習得+言葉を増やすため、療育の先生からオススメされた
まずは物に名前があることということを理解すること、そして言葉を増やすために使いました。
一般的な子どもの絵本では絵が可愛く描いてあったり、周りにイラストがついていたりして、発達障害の子には情報が多すぎてわかりにくい場合があると療育の先生に言われ、紹介されたのが「くもんの生活図鑑カード」でした。絵の背景は白で、まるで写真のように実物に近い絵なのでとてもわかりやすく、言葉の勉強をするために重宝しました。「やさいくだもの」「生活道具」など種類も別れていて、ほとんどはこのカードで言葉を覚えました。
自閉症の子が「物の名前」を理解して喋れるようになるまで
最初は子どもの好きなもの、生活に密着したカードを数枚抜き出して、遊びのような感覚で使いました。例えば「バナナ」「イチゴ」「コップ」「イス」などです。
可能なものはカードと一緒に実物も見せると良いと療育の先生からのアドバイスもありました。
応答の指差しをしないことで引っかかった1歳半健診ですが、カードでの勉強を続けるうちに「バナナどれ?」というと、カードを指差せるようになりました。
そしてだんだん使うカードを増やしていって、「れいぞうこ」など実物をそばに持ってこれないようなものも取りいれたりステップアップしていきました。
現在はほとんどのカードは覚えましたが、これからは文字を勉強するために使います。絵の裏にはひらがなで文字が書いてあるので、使いやすいと思います。1歳後半から使い始め、最初は興味を持たずただのパラパラめくったりバラまいたり遊びのようになってしまっていたカードですが、長い目で成長の寄り添える教材だと思います。
悪かったところは特に思い浮かびません。

- 「物に名前がある」ことを覚える
- 遊び感覚で生活に密着したカードから習得(できれば実物も見せる)
- 理解できるものが増えてきたら、種類を増やす
- 「物の名前」が覚えられたので、「文字」を覚えるために使う
「くもんの生活図鑑カード」を使ってみて一番嬉しかったことは「コミュニケーションが取れたこと」
言葉のオウム返しは出来る子だったので、最初はカードを見て私が発する言葉をオウム返ししていました。そのためわかっているのかいないのか、イマイチはっきりしない状態が続きました。しかし1年くらい続けるうちに私が何も言わなくてもカードを見せるだけで、「とまと」「そうじき」など言葉を発するようになり、それは物と言葉が一致した瞬間でもあったのでとても嬉しかったです。
わかってきたことが嬉しかったのか、「おべんきょう」と言いながらカードを持ってきたこともありました。コミュニケーションが難しいことが自閉症の特徴でもあり、育てていく上で一番の難点でもありますが、カードを通して「コミュニケーションがとれた」という嬉しい瞬間が何度も実感できました。
