Contents
おさらい:注意欠陥/多動性障害(ADHD) とはそもそも何か
ADHDとは「注意欠陥多動性障害」の略称です。大きくわけて、不注意型、衝動型、多動型の3タイプがあります。
ADHDの人数は「男の子の方が3倍から5倍ほど女子より多い」と言われていますが、女子は不注意型が多いというだけで見つかりづらいだけとも。不注意型は子どもの頃にはあまり見つからず、ただ不注意なだけなので、学力的なレベルも悪くはありません。ADHDの人たちは、むしろ興味があることに対しては素晴らしい集中力を発揮することもあります。
不注意型の症状が顕著に出てくるのは、ミスが許されないような事務職などの仕事に就職したときです。そのため、子どもの頃はボチボチ成績もよかったけれども、仕事をし始めてから怒られ「発達障害」や「ADHD」という言葉を知って調べてみると「あ、当てはまる…」となるケースが増えています。ADHDの人は、何度も同じミスをしてしまうため、周囲からは「やる気がない」「さぼってる」と思われやすいです。自己肯定感が低くなり、うつなどの二次障害が発生する可能性が出てきてしまいます 。
ADHDさんの性別・年齢
男性27歳
ADHDさんの普段の性格
普段とても穏やかなです。しかしベースは穏やかなのですが、急にテンションがMAXになったり、起伏は激しいのかなと思います。
あとは何に対しても一度ハマるとそれ以外見れなくなります。ですので夢中になる趣味、特技のようなものが常に1つだけあります。
このADHDさんの発達障害の症状は?
自分の場合は中学生の頃から多動性は弱くなり、不注意、衝動性が強いです。中でも不注意の物忘れやうっかりミスなどが酷いです。普通の物忘れと大きく違うのが、習慣付けられないという点で、携帯電話や車のカギ、財布など毎日外出する際には持って出るものすら忘れます。また、その頻度が毎日というのが普通の物忘れと大きく違う点です。あと、やはり何かにハマるとそれ以外が見れず、そのもの一直線になります。普通ならそれ以外の事との兼ね合いを見て自然とバランスを取るものですが、それが難しいです。ギターにハマれば夜中もずっと練習をして、寝る事を忘れ、次の日に学校で寝てしまうなど色々な弊害があります。
子ども時代の症状、ADHDだと認識したきっかけ、やっているADHD対策
子供の頃はとにかく落ち着きが無く、通知表にも毎回「落ち着きがないので、静かに授業を受けてほしいです」の様なことを書かれていました。
ADHDを自覚したのはそれから15年ほど経ち、社会人になってからでした。その頃からADHD自体の認知度も高まりだしたというのもあり、自分によく当てはまるなと思いました。
そんな時実家に住んでいた私は家族に呼ばれいわゆる家族会議の様なものを開かれ、ADHDなら薬で緩和されるから一度病院に行きなさい。と言われて診断してもらい完全に自覚しました。
それまでの対策としては、玄関に「鍵、携帯、財布」という張り紙をするというものでしたが、張り紙が視界に入らず、効果はほとんどありませんでした。

社会人になってから困ったことや苦労などの体験談、職場から受けた支援・サポート
大人になってからとにかく不注意というのが強く、物忘れが酷かったです。唯一の良さ、長期的な記憶力が良かった事です。ネットで調べるとどうやらそれもADHDが関係しているという事を知りました。そのお蔭で仕事の全体的な流れなどはすぐに覚えることが出来ました。専門化ではないので上手く説明が出来ませんが、一番最初に自分の中でパターン化出来るとほとんど忘れることはないです。逆に、最初辺りに一度忘れたり、例えば一週間の内、火曜日と木曜日だけ行う業務というのは大概忘れています。
そういった一辺倒には語れない事情により、職場では、仕事は速いけど、よく抜けがあるといった扱いでいじられる程度でした。
逆に通常業務に関してはアドバイスを求められたりと、そこまで深刻には受け止めていませんでした。

過去、最も仕事が「合っているな」と思った職業はどんなものですか?それはなぜですか?
これは工場などのライン作業だと思います。
私も以前、工場で機械加工をしている時期がありましたが、基本的に毎日同じ機械で同じような作業をするだけなので、特に注意をする事がありませんでした。いわゆるルーティンワークならば得意と言っても過言ではないのかもしれません。
しかし、そんな工場に一度だけ問題がありました。
勤めている途中で、作業に着手する際にチェックする作業を追加し、バーコード管理を始め、チェックの後は専用の機械でバーコードを読み取り操作をしてから作業に取り掛かるという新しい作業が加わりました。その時からチェック漏れや機械の操作忘れ等が頻発し、説教をされた記憶があります。
やはり一度体に染みついた習慣から柔軟に順応する能力に欠けていると思いました。
工場は合わないとは思いませんが、あくまで合っているに近いだけだと思います。

過去、最も「合わない」と思った職業はどんなものですか?それはなぜですか?
これは間違いなく接客業&事務作業です。
私は以前ホテルのフロントマンをしていました。
そこは接客はもちろんのこと、事務作業や簡単な経理業務もフロントがしていました。
何が大変かと言うと二つ以上の業務が短期的に交差して訪れるという事です。具体的に言うと、事務作業なので全ての作業に、作業をした印、また同僚がした作業の確認をした印など、一日何回も印鑑を押すことになります。もちろん印鑑を押すだけなら何の問題もなく出来ますが、フロントマンなので、あくまでメインは接客です。なので何か事務作業をする、お客さんが来て接客をする、接客が終わると「あれ?なにしてたっけ?」となり、思い出してる間にまたお客さんが来て、の繰り返しで接客が落ち着いた時には何が終わって何が終わってないのか全く分からない状況です。一つの事を続ける事は得意ですが、何か変化があるものや、二つ以上の事を同時に行う事に非常に苦手意識がありました。

ADHDさんの生じた二次障害は?
特になし
現在のADHDさんの状況は?ADHDを乗り越えて働く秘訣は?
現在はライティングの在宅ワークやその他フリーランスの様な事をしていますので、何かミスをしても指摘する人が居ないので伸び伸びと仕事をしています。未だにADHDの事を完全に理解はしていませんが、何かの数値の暗記など覚えたりすることは得意なので、そういった部分も活かしつつ、自分のペースで仕事をするのが一番の解決方法かもしれません。職場に理解ある人で溢れていれば、それほど幸せな事はないと思いますが、実際問題は「甘え!」の一言で片づけられる事が多いです。それどころか、何か仕事に抜けがあった上司を指摘したら「ADHDかも」と揶揄されたりもあります。
そんな理解が追い付いてない時代なので、敢えて自分を追い込む環境に身を置かずに、外に出て誰からも責められない環境で仕事をするのが順調に働く秘訣かもしれません。