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おさらい:注意欠陥/多動性障害(ADHD) とはそもそも何か
ADHDとは「注意欠陥多動性障害」の略称です。大きくわけて、不注意型、衝動型、多動型の3タイプがあります。
ADHDの人数は「男の子の方が3倍から5倍ほど女子より多い」と言われていますが、女子は不注意型が多いというだけで見つかりづらいだけとも。不注意型は子どもの頃にはあまり見つからず、ただ不注意なだけなので、学力的なレベルも悪くはありません。ADHDの人たちは、むしろ興味があることに対しては素晴らしい集中力を発揮することもあります。
不注意型の症状が顕著に出てくるのは、ミスが許されないような事務職などの仕事に就職したときです。そのため、子どもの頃はボチボチ成績もよかったけれども、仕事をし始めてから怒られ「発達障害」や「ADHD」という言葉を知って調べてみると「あ、当てはまる…」となるケースが増えています。ADHDの人は、何度も同じミスをしてしまうため、周囲からは「やる気がない」「さぼってる」と思われやすいです。自己肯定感が低くなり、うつなどの二次障害が発生する可能性が出てきてしまいます 。
ADHDの大人が仕事でやりがちなミスの数々
- ミスがミスを呼ぶ無限ループ地獄で「仕事ができない人」と思われる
- 「メモする」が対策にならず、メモ内容を忘れたり、メモしたこと自体を忘れたり、メモの意味がわからなかったり
- スケジュールが決まっていても、後回しと先延ばしの常習犯になってしまう
- マルチタスクが苦手で複数の依頼が来るとパニックになるか忘れる
- 時間の逆算ができず、しょっちゅう遅刻してしまう
- 計算ミス、誤字脱字などケアレスミスが多く、何度指摘されても治らない
集約すると
- スケジュール管理がへたっぴ
- 先延ばし癖がひどい
- ミス魔
この3つに集約されるでしょうか。
遅刻ばかりする、スケジュールを守れないADHDさんの対策
ちまたにはいろんな対策が紹介されています。
- 寝る時間を決める
- 早起きする
- 二度寝しない
- 早めに行動する
などなど。
いや、やってるつもりなんですけどね。って感じです。早起きして早く行動しても余裕があるなーって思うと道草食っちゃったりしませんか?私はゲームが好きでイングレスやポケモンが流行ったときには早起きしてゲームに繰り出してそのまま会社に行けば良いや、と思っていたら夢中になりすぎて遅刻しかけたことも。夜も何時間も彷徨い歩いてゲームに興じて帰宅が深夜になるなんてことも。
こんな私が遅刻しないための対策として行っているのは次の2つです。
- 遅刻しないパターンを見付ける。
- 他人を巻き込む
1.遅刻しないパターンを見付ける
遅刻しないパターンを見付けたら、そのパターンで行動します。当然っちゃ当然の対策ですね。8時10分の電車に乗る、と決めたら毎日その電車に乗るという感じ。別になんでも良いのです。あなたに合った方法を探してパターン化しましょう。
ADHDの人の場合、パターンを見出すのが得意な反面、すぐにそのパターンに飽きるという一見すると矛盾したような特性を持ち合わせています。なので難しいかもしれませんが、一番うまくいっている対策はこれです。パターン化。
2.次に他人を巻き込む
遅刻したり怒られても良いやーって人を巻き込んでもダメです。「この人を待たせたら大変なことになる」とう人を巻き込みます。私の場合、妻です。ポケモンGOをほどほどにして家に帰るのは、早く帰らないと怒られて面倒だからです(笑)。怒られなければきっといつまででもやっています。
そして、他人をリマインダー代わりにします。仕事であれば他人を巻き込むことで「あの仕事どうなりました?」と声をかけてもらいやすくします。声をかけられたときにㇺッとしてはいけません。「ああ、ありがとう。思い出した!また声かけて!」とできるかぎり爽やかに対応して、また声をかけてもらえるようにしましょう。
別に「ADHDなんだ・・・」と深刻に報告・相談して支援をお願いするところまではいかなくてもOKです。「スケジュール管理が苦手なんだよねー」とか「もしかしたらADHDの気があるのかも」程度でも良いです。
先延ばし癖がひどいADHDさんが仕事上でやるべき対策
先送り癖が酷い人、挙手!
はい、私です。
これも上記のスケジュールを守れない人に通ずるADHDさんの課題ですね。
やるべき仕事があるにもかかわらず、気分が乗らずに先延ばしにしてしまう。そして、先延ばしにしたことを忘れてしまい「あの仕事どうなった?」と誰かから言われて冷や汗をかく。そんな経験があるADHDの人、いませんか?私はよくあります。
こんな人のための対策は、ありきたりですがメモ。ただメモといっても、メモしたこと自体を忘れてしまうのがADHDさんの悲しいところ。私も「やることリスト」としてエクセルなどで管理しようとしますが、あっという間に忘却の彼方に。
先延ばし癖が酷いADHDの人のやるべき対策
- やることをリストアップする
- いつまでにやるかを明記する
- 優先順位を付ける
- リスト化して管理する ←これが難しい
こうすれば良いのがわかっているのですが、私はこれだけだとできません。問題は、リスト化して管理しようとしたもの(私の場合はエクセル)が仕事の一部として組み込まれていないことです。だから、エクセルなどにTODOリストをまとめたとしても、1週間もしないうちにTODOリストの存在を忘れてしまいます。そして、しばらくするとまた別のTODOリストを作りだします。「あれ?前にもこんなTODOリスト作ったことがあるぞ?どこにいった?んー見付からないからまた作ろう」のループです。
でも、先日解決策を発見しました。対策としては、TODOリストは普段から使用しているものに組み込むことです。仕事に組み込まれているものを使うのです。具体的に書きます。
仕事でサイボウズなどのスケジュール管理ソフトウェアを利用しているなら、サイボウズに予定を入れまくる。どうしてもそのメモを見なくてはならない状況を作り出します。見なくても仕事が回るような対策だと、絶対に忘れます。何十回と忘れている私が保証します(笑)
サイボウズなどがないのであれば、大きめのカレンダーを印刷してそこに書き込んでデスクにおいておきましょう。
まとめるとやるべき対策はこうなります。
- やることをリストアップする
- いつまでにやるかを明記する
- 優先順位を付ける
- リスト化して、仕事で日常的に使うものでスケジュールを管理する(サイボウズやカレンダーなど)
ポイントは最後のところですね。ただ、これでも忘れてしまうことはあります。はい、ごめんなさいとしか言えませんね。
ミス魔なADHDさんがやるべき対策
そしてミス魔。誤字脱字なんかは私は気にしません。きっとこの記事を書いている中にも意味がわからないところがあると思います。ごめんなさい。そんな感じなので、仕事で大切な文章を書いているときにも誤字脱字が散見されてしまいます。
誤字脱字などの文章系のミスの対策としては、以下のようなものがあります。
- 思いついたままに書いてしまうので、後で見返す
- 疑問文で問われていることにちゃんと答えているか確かめる
- 1つの文章を長くしすぎない
- 主語、述語を意識する
- 箇条書きや見出しを付ける
などなど。後半は作文テクニック的なものですね。でもね、わかっているつもりなのですが後から見返しても何故か誤字脱字とかって見つけられないのです。理由は自分でも分かっています。自分で書いたから、自分が読みたいように読んでしまうのです。
作文テクニック的なものは、このように記事をモリモリ書くことが練習にもなっているのかまだ多少マシになっているとは思うのですが。結果、ADHD傾向のある私がたどり着いた最強の対策は、誤字脱字チェックは他人に任せる、です。
他のページでも書いていますが、私は発達障害であろうがなんだろうが苦手なことを無理して頑張るのは嫌いなのです。得意なものは得意な人がやれば良いと考えています。苦手なものは極力避ける!これが楽しく仕事をする秘訣です。その代わり、協力してくれる人にはお菓子とかチョコを配布しまくっています(笑)
他人を巻き込む対策だけで無理なら公表+支援のお願い
以上、ADHDの人が失敗しがちなミスなどの対策をご紹介しました。お気づきのとおり、ADHDの人が仕事を円滑に進めるためにしておいた方が良いものがあります。やっぱり他人を巻き込むことですね。
軽く他人を巻き込むだけで解決しない場合
そんなときにはもっと強力に対策しましょう。ADHDであることを職場の人への報告し、支援してくれるようにお願いします。
ただ、何も報告しない方がよい場合もあります。
ADHDであることを職場で報告しない方がよいケース
「私、ADHDなんです」と報告しない方が良いのは、単純にパワハラ系上司など性格が捻じ曲がっている人がいる場合です。「ADHD?やる気がないだけだろ!」「根性が足りない!」などと全く理解をしめさない相手には言うだけ無駄です。「あいつは病気だ」などとヘンな陰口や噂を言いふらされてしまい、協力・支援を仰ぐつもりが逆に不利な立場へ追いやられてしまう可能性もあります。
ADHDの人たちの体験談の中にもそんなケースが見受けられました。
同じミスが何回も続くことに上司から注意が入り「ADHDであることは理解しているが、あなたのミスはただの甘え」と言われてしまう始末。 仕事中にお手洗いに駆け込み泣いてしまうこともあったようです 。
この adhd さんは上司から理解を得られたように見えましたが、実際は周囲からの協力はあまり得られていません。それどころか馬鹿にされたり陰口を叩かれてしまいました。
営業から事務職へ転職した女性ADHDさんはメモ忘れループ地獄に【体験談】
ADHDであることを報告・相談しても良いケース
逆に職場で相談しても良いケースは、周囲の関係者が理解がある場合です。職場全員に周知する必要はありません。仕事の関係がある人、例えばペアを組んで仕事をしている人や上司や同僚だけなどです。誰かひとり信頼できる人を捕まえて相談し、他に誰に支援をお願いすべきかを聞いてみるのも手です。
ADHDの大人の仕事対策番外編:他の人には負けない得意分野を身に着けるとグッド!
他人を巻き込むということは、誰かに負担を強いるということです。仕事は持ちつ持たれつ、困ったときはお互い様です。誰かにお願いをするのであれば、あなたも誰かにお願いされても良い状況を作れたらベストです。例えばExcelの関数の扱いならめちゃくちゃ得意とか、誤字脱字はめちゃくちゃ多いけど文章を0から80%くらいまで仕上げるのなら早いとか、デザイン系(PhotoshopやIllustrator)は使いこなせるとかです。
- 周りの人が困っていることを観察する
- 周りの人ができないけど、自分ができそうなことを見付ける
- できそうなことを見付けて「いける」と思ったら極める
こんな具合です。上記で紹介した例、Excelの関数やら文章やらデザイン系はすべて私の実例です。Excelなんかは検索すればいくらでもネットに載っているのですが、手を出さない人が結構多い印象です。お試しください。
どうしても無理ならさっさと転職した方が良い
- どのADHD対策も使える気がしない
- 職場の支援も得られそうにない
- 頼れる人もいない
- 他の人に負けない分野もなさそう
そんな風に感じるのであれば別の仕事か職場かに転職した方が良いです。メンタルが壊れてしまったら大変です。「そんなんじゃどこに行っても続かないぞ」とか行ってくる奴は無視しましょう。その人が一生養ってくれるわけではありません。あなたはあなたの人生を、楽しめるように生きるのです!!
「んなこと言われても何したらいいのかわからない」という方は下記もご参考ください。何かヒントになるかもしれません。