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ピグマリオン効果とは何か
ピグマリオン効果とはザックリ説明すると「相手に期待をする、その相手がその通りになる」というものです。ちょっと意味がわからない?「この子は絶対伸びる!!」と信じて期待すると本当に能力が伸びるということです。ピグマリオン効果は、期待がプラスに作用することを呼びます。逆に「この子はダメだ」と思ってしまうと本当に能力が伸びません。マイナスに作用するのはゴーレム効果と呼ばれます。
参考:マイナス評価も期待しないのもNG。子育てのタブー、ゴーレム効果とは
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ある学校での実験~先生に「あの子は伸びる!」と言うと、その子の成績が伸びる~
具体的に説明します。
学校である実験が行われました。学校の先生に「この子とこの子とこの子は絶対に伸びる 」と伝えます。しかし根拠は全くありません。完全にランダムで選んだ子供を、適当に指定します。しかし、教師はそのことを信じ、伸びると言われた子に期待をかけて接します。するとその子供たちは 本当に成績が伸びたのです。
※ピグマリオン効果は、このことが由来して教師期待効果とも呼ばれています。
学校での事例以外にもあります。例えばビジネスシーンです。上司などから「お前はできるんだ」ということを期待されると、営業成績が上がるというものです。
恋愛だと、例えば誰かを「かわいい」と褒め続けることで、 本人が「かわいい」状態により近づこうと努力して、よりかわいくなるといったこともあります。経験がありませんか?
これは暗示をかけているとも言えますね。
人は「自分のイメージ」と「他人の評価」に近づいていく
ピグマリオン効果とは異なりますが、人はそれぞれ「自分はこういう人間だ」という自己イメージを持っています。「私は真面目な人間だ」と思っている人は、まじめであろうとし、不真面目なことは行おうとしません。もしあなたが周囲から「あの人は真面目だ」と評価されていれば「真面目になろう」と思いませんか?ピグマリオン効果の一部にはこういった作用も働いていると思われます。
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発達障害の子の能力を伸ばす接し方
発達障害でありながらも様々な偉業を成し遂げている人達は、家族や周囲からのサポートを受けています。サポートの形の一つが「期待する」「能力を信じる」ということです。
表面的に「これはあなたの特性だからいいんだよ」と伝えるだけでなく、「本当にすごいんだ」と思って伝え、接するのです。そして、発達障害独特の能力の凸凹のうち、秀でた能力をさらに伸ばすことで成功へと繋がっていったのです。
例えば、このサイトでも何度でも取り上げているさかなクンの場合は、魚に対するとてつもない興味・関心を母親がしっかりと活かしてあげることで、現在の成果に繋がりました。お母さんは、学校での面談でさかなクンの魚に対する異常な興味を指摘され、治すように諭されましたが「この子はこれでいいんです」とはっきりと言っています。
参考:発達障害ぽい「さかなクン」の母の伝説。アスペルガーぽい子の子育て方法
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ピグマリオン効果を活かすための4つの条件
発達障害の子供に対して、ピグマリオン効果を活かす条件は次のとおりです。
- 良い所をしっかりと見つけてあげること
- その子の優れた能力に対して、心の底から期待をかけてあげること
- その能力を伸ばそうとしてあげること
- 言葉だけでなく態度で示してあげること
これらが大切となります。
発達障害の子たちはできることとできないことの差が激しく「普通の子」ができることができずに「なんでできないんだ」「おかしいんじゃないか」と言われてしまうことが多いです。本人が「自分はダメだ」と思ってしまうと能力が伸びなくなります。周囲から「この子のこの能力は凄い」と評価されて本人が「自分はすごいんだ」と思えば、能力は伸びます。良い方向への思い込みを育てることが重要となります。
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言葉で伝わるのは7%、93%は態度で伝わる
人とのコミュニケーションの上で、言葉が相手に印象を与える割合はたった7パーセントです。残りの93%は、言葉以外の表情・目線・仕草などの態度が、大きな影響を与えています。前述の「成績が伸びる」と言われた子供達は、先生から期待されていることを言葉だけでなく態度からも感じ取り、取り組んでいたのです。
子供の能力を開花させようと思ったら、子供に対して「がんばれ!」などと声をかけるだけではダメなのです。まず変わるべきは親です。あなたが変わることが、子どもの能力を伸ばすことに繋がることを心しておきましょう。